発売元 : Nautilus Records
http://nautilus.shop-pro.jp/

Flexible music talk  (音楽柔!)          1   2   3

・CDも録音物ですが・・・
過去に録音された自分の演奏を好んで聴きたいとは思わない。理由は「良いと思わない」から。断片的には評価出来る部分があるかも知れないが、そんなことは余り意味が無く、決まって苦い思いをする。少なくともちゃんと弾けているとは思えない。しかしだからと言って「演奏すること」自体が嫌いな訳ではないし、楽しくない訳でもない。とすると、これは一体どういうことなのか?もしかすると、自分は厳密な意味で「自分の演奏を聴く権利と資格が無い」という事かも知れない。他の演奏家の方々は、どのように感じているのだろう?(2015/03/25)

・新人らしからぬ新人
近年の若い人たちは、新人の時点で既に顔が出来上がっている。つまりおどおどしたりキョロキョロしたり不安げな様子が見られず、10年選手とさして変わらない雰囲気を呈していたりする。昔の新人は自分も含めて例外なく新米っぽかったもので、これは音楽教育の目覚しい進歩によって即戦力となる人材の育成が効率的に行われている証ではないかと思っていたのだが、どうもそうでもないらしい。それを一言で表すなら「価値観」の変化かも知れない。確かに今の新人は上質で効率的な指導のもと「一芸に秀でている」ことは事実だ。しかし実践力の裏付けとなる「引き出し」が豊富かというと、決してそういう訳でも無い。昔の新人がおどおどしていた主な理由は実は「引き出し」を持たないことによるものだったのだが、その意味では実情は昔とそう変わらない。この事から「引き出し」という数値的に表し難い地味な要素よりも「技術的優位性」が評価されるという教育現場の実情が垣間見える。(2015/03/08)

・コアとオプションの話
音楽家もそうですが、誰しも歳を重ねると相応にコアの部分が衰えを見せ始めます。例えばそのピークが30歳前後にあると考えると、その後はコア自体の性能は下降線をたどりいつかは使用限界を迎える事となるでしょう。その場合の努力と言えば単純にそれを少しでも遅らせる事を指しますが、それとは別のもうひとつの方法、それは「コアに依存しないオプション」に活路を見出すというものです。所謂「年の功」ということで、「味わいの深さや説得力」に類するものを指します。しかし誤解の無い様に申せば、それとても衰え行くコアとのバランス上にて表現し得るものですので、無論「一定のコアの維持」が前提となります。(2015/02/27)

・車の運転は音楽的に?
車を運転する時、「より音楽的に」などと考えたりしているのは自分だけでしょうか?発進、停止、加速、減速、コーナリングなど、とにかく「滑らかに」という気持ちを「音楽的に」と置き換えてイメージしている訳です。そこには「音楽=滑らか=心地良い」的な発想が有り、ガキガキしたり、ギクシャクしたりってのは音楽じゃない的な、かなりノーマルな音楽観があるようです。つまりロックだろうがプログレだろうが、音楽である限りは「滑らか」が良いと思っています。(11/17)

・演奏者が一番気になる客
もちろん「最前列のお客様です!」という建前は良いとして、実は一番気になるのは共にアンサンブルを行っている他の演奏者です。もっと言えば、他の演奏者が気に入ってくれそうな演奏を目指します。これは顔ぶれが変われば自分もまた変わりますし、その中でも特に気になる演奏者がいれば、その人を対象として演奏する事もよくあります。演奏形態の1つに「バトル」というプレーヤー同士の競い合いが有り、スリリングな演奏が展開されますが、基本的にはそれと同じで、演奏者同士が常に良きライバル関係に有る事が、演奏のクォリティを高めます。(11/15)

・最近つくづく思う事
音楽に関することでもそうでないことでも同様ですが、日頃からいろいろと気が付くこと、思うことがない訳ではありません。が、あれはおかしい、これは変だ、などクレームめいたものもあれば、いや〜実に素晴らしい、たいしたもんだ、といった嬉しい驚きなどもあります。で、このところ記事の更新ペースが落ちている理由のひとつは、何となく後者しか書きたくなくなってきたからで、「男は黙って○ッポロビール!」ということでもあり、ついでに言えば○○リーパミュパミュは正直すごいと思います。(7/16)

・楽器別キャラクター図鑑其の7 Tronbone
トロンボーンはアンサンブルの中では独特の包容力を持った音色で中、低音を受け持ち、上物を支えつつサウンドに豊かさを提供します。そのためベーシスト同様、アンサンブル全体に対する意識も高くリーダー向きと言えます。また、長いスライド部分を大きく前後させる演奏方法は練習時にもしばしば通行の妨げとなることから、前後左右の安全確保のためベルの映り込みをミラー代わりにするなど、常に他者への配慮を怠りません。このようなトロンボーン独特の感性はまた、アレンジャー向きでもあると言えるかも知れません。(3/14)

・楽器別キャラクター図鑑其の6 Saxophone
ここではサックスのサイズの違いによる様々な種類を押しなべて一様にサックス奏者と致します。一般にサックス奏者にとって自らの奏法やプレイスタイルにベストマッチした楽器(マウスピースを含む)に廻り合う事は非常に重要とされています。良いコンディションの楽器は希少である上に相性に対して個人差が大きい為です。それに加えて振動体であるリード自体もコンディションの良い物は希少とされ、サックス奏者の内なる悩みは尽きる事が有りません。しかし積極的な情報交換によって解決しようという動きもあまり見せません。何故なら・・・希少だからです。(3/3)

・楽器別キャラクター図鑑其の5 Trumpet
トランペッターは常に多くの課題を抱えています。まず振動体が自らの唇である故、疲労を含め唇のコンディションの問題が有ります。息をしっかりと支える体幹のコンディションも重要です。しかし更に重要な事はメンタルコントロールと言っても過言では無いでしょう。心理的動揺や迷いは唇や呼吸の状態を著しく変化させてしまうからです。他にもマウスピースの選択や楽器のメンテナンス等、彼らの課題は山積しています。それらを一身に受け止め、論理的努力を重ねつつ一歩一歩克服して行く。トランペッターとはそういう人達です。(3/1)

・楽器別キャラクター図鑑其の4 Piano(Keyboard)
ピアノは習得の過程に於いて独奏楽器との認識を持つのが普通です。つまり自己完結型の楽器なのでマイペースの樹立が優先される反面、アンサンブルの中での協調性という部分では他の楽器よりも遅れがちとなります。(無論そのある種の不均衡がアンサンブルにとって絶妙の効果をもたらす場合もあります。)ですから「一糸乱れぬ」とか「一丸となって」のようなイメージにはさほど関心を示さず、むしろ個々のパフォーマンスに重点を置く傾向が強い様です。但しコンダクタータイプの人はその限りではありません。(2/7)

・楽器別キャラクター図鑑其の3 Drums
ドラムは楽器の中でも特殊な存在です。普通「ドラムで何か一曲お願いします。」などと言われる事はまずないでしょう。つまり始めからアンサンブルと共にある存在です。リズム音楽の牽引役であると同時に場面ごとの流れを作り、また他のプレーヤーのパフォーマンスに即応しつつ雰囲気を盛り上げる事も忘れません。ですから「いや〜どうもコミュニケーションは苦手で・・・」みたいな人はほとんどいません。ただグングン引っ張るタイプか、慎重に見極めたいタイプかの違いは有るようです。また意外とナイーブな一面もあったりします。(2/3)


・楽器別キャラクター図鑑其の2 Bass
主流はベースギターですが、原点はウッドベースにあります。昔は2ビートの音楽が多かったので、「盆と正月(1拍目と3拍目のこと)だけ弾けば良い」とすら言われるほどヒマな楽器とされていました。そのせいかどうか、今でもバンド全体を見渡す視野を持つ人が多く、バンドリーダーを務める人も少なくありません。楽器の特質上、すぐカッとなって何かをしでかす様なタイプの人はまず見掛けません。一般的に辛抱強く、責任感の強い人が多い様です。(2/1)

・楽器別キャラクター図鑑其の1 Guitar
図鑑と言っても図は有りません(語呂が良いので・・)。大方のギタリストは楽屋でも常にギターを抱えており、人と話す時もポロンポロンと何かを弾いています。そのため積算練習量は楽器の中でも1,2を争うほどになります。また構造上狭い発音ポイントをチマチマと弾き分けなければならない為、大雑把な性格の人は余り見かけません。一心同体の様に楽器を大切に扱いますが、不思議な事に楽器を置いてその場を離れる際に浅い角度で壁に立て掛ける人が多いです(ネックの先端にクロスを噛ます)。たまにズズ・・・となります。(1/28)

・同じ映像は同じ音?
基本的にはそうだと思う。昨年暮れの事だがNHK-FMに「吹奏楽のひびき」という番組があって、その日は「大空への挑戦〜ライト兄弟初飛行110年〜」という特集が組まれており、それに因んだ4人の作曲家の作品が列挙されるという趣向だった。当然ながらどれも「飛行機が飛ぶ」という物理現象と「大空」という情景描写がサウンドの根幹にあって、更には「ライト兄弟から現代に至る航空機の変遷」的なモチーフまでも概ね共通しているとなれば似ない方がおかしい。それを4曲続けられると流石に「もういい、わかった」という感じ。これは決して作曲家のせいではなく、4曲も続ける方が悪いのだ。
これはアルバム「KURSK」にも言える事で、戦車がエンジン音を轟かせキャタピラを軋ませながら行軍するシーンは誰が作っても同じ様なものだ。曲のオリジナリティとは、むしろシナリオとカットに依存するものと考えている。そのため「KURSK」に於いては戦車内部のカットを多用し、尚且つ戦車兵の顔面アップ、しかもその表情は一瞬戦闘と乖離した全然別の事を考えている・・・等々。(1/18)

・マルチプレーヤーって何だ?5(終)
基礎が同一という事はどういうジャンルの音楽を演奏しても皆似たような色合いに成り兼ねないという事でもある。ジャンル特有の色が出ない、或いは出し切れないという事になればこれは由々しき問題である。云って見れば気の抜けた炭酸飲料の様なものだ。卓越した演奏ではあるが色(ハート、スピリット)が無いという本末転倒の事態はマルチプレーヤー特有の課題と言って良いだろう。反面これがクリア出来ればアッパレの一言に尽きる。(10/19)

・マルチプレーヤーって何だ?4
近年、演奏技術習得の過程では各ジャンル間に於ける差異はほぼ無いと言って良い。合理性に基づいた癖の無いクリアで正確な楽器コントロールは、どのジャンルに於いても普遍的なものとなりつつある。また、それが全てと言う訳ではないにしろ、ある部分で演奏技術の頂点を極め、範とすべきはコンピューターミュージックという考え方も昨今珍しくない。即ちマルチという概念はオールマイティな基礎力在りきの考え方によって成立している。(10/18)

・マルチプレーヤーって何だ?3
その昔、ロックミュージシャンに最も求められた事はロックな感性だった。故に、技術的に多少荒削りでもそれはそれで良しとされた。これは当初ジャズでも同じ傾向があったと言えるが、ロックが黎明期の頃にはジャズは既に円熟期を迎えていた為、理論的、技術的な完成度では”クラシック>ジャズ>ロック”という構図が一般的と言えた。この様に並べて見ると一目瞭然であるが、ジャズ、ロック共に「取り合えずクラシック」という発想に至る。(10/16)

・マルチプレーヤーって何だ?2
近年は実質的、能力的にマルチプレーヤーの傾向を持つ演奏家が昔に比べて格段に多くなっている様だ。最大の理由は正規の音楽教育の場自体がマルチを容認する方向にシフトしてきたからと思われる。昔の音楽教育の多くはジャンルの間に意図的に壁を設けていたように思う。他のジャンルからの感性や手法の流入が純粋な音楽教育の妨げになると考えるのが普通で「ジャズの勉強の為に好きな浪曲を断った」みたいな話が多かった。(10/15)

・マルチプレーヤーって何だ?1
簡単に言うと職業的に色々なジャンルの音楽をこなす演奏家ということだが、それに対してロックミュージシャン、ジャズプレーヤー、演歌歌手など特定のジャンルを専門に手掛けるミュージシャンのイメージがより一般的だと思う。このイメージが実は重要で、「何でも出来ます、何でもやります」では如何にも器用貧乏的な深みの無いイメージになってしまいがちだが、「この道一筋です!」と言われればそれだけで充分な説得力と成り得る訳だ。(10/14)