発売元 : Nautilus Records
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Concept

これはクルスクの戦いに於ける歴史的、政治的、軍事的な考察の場ではありません。
もとより戦争は政治的判断によって軍隊が行うわけですが、軍隊そのものは人間の集まりであって、それ以外の何ものでもありません。如何に機械化された軍隊でも、機械を操作し、戦車を動かしているのは人間なのです。
例えば100万の軍隊には100万の心が存在し、100万の思いが存在します。無論、組織であるからには教育や洗脳によって可能な限り統一化が為されますが、そもそも直接自分や他人の生死に関わる行為に於いて、その思いを100%コントロール可能と考える方がむしろ不自然です。とりわけ激戦の最中では兵士個々の思いの差がそれぞれの判断や行動の違いとなって表れてくるでしょう。それは迷いや葛藤であり、怒りや憎悪であり、不信感や現実逃避かも知れません。
このような場合、軍隊では「ダメな兵士」、「悪い兵隊」として切捨てられます。確かに同胞の足を引っ張り、危険に晒す要因とは成り得ますが、戦闘行為の持つ理不尽さや大いなる矛盾に心が反応すること自体が「悪」とも「ダメ」とも思えません。強いて言えば「君は戦争に向いてないね」というだけのことでしょうか。
反対に同胞の利益や安全のみ固執する人々が人間的に優れているとも言い切れません。なぜなら行為そのものに本質的な意味や価値を求めずとも良いからです。しかし軍隊ではユニットを単位とした行動がほとんどなので、こうした人々はむしろ「良い兵隊」とみなされるでしょう。
このように個々の人間が行う行為、営みとして戦争を見るとき、とりわけ今の時代に「戦争の大儀」や「正義」、「善」なる側面は在り得ません。
いや、思えば太古の昔よりそのようなものは存在し得なかったのです。